「基本給が低い」求人はやめとけ? 手当の多い月給の読み方と見送る線
「月給22万円」と書いてあっても、その中身が「基本給15万円+手当7万円」の会社と、「基本給22万円」の会社では、1年でもらえるお金が変わることがあります。賞与や退職金、残業代は、基本給をもとに計算されることが多いからです。この記事では、基本給が低く手当が多い月給の読み方、最低賃金を下回っていないかの確かめ方を計算で示し、応募する前に確かめることと「この条件なら見送る」線をまとめました。
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基本給とは、給料の土台になる部分
月給は、基本給と、いろいろな手当を足したものです。基本給は、仕事の内容や年数をもとに決まる、給料の土台になる部分です。
基本給は、本人の同意なく会社が一方的に下げることはできません。一方で、手当は決まりを変えて減らしたり、なくしたりされることがあります。月給の中で基本給がどのくらいかは、給料の安定にも関わります。
責任者
基本給が低いと、何が変わるか
同じ月給22万円でも、中身が違う2つの会社で比べてみます。賞与は「基本給の年2か月分」として計算します。
| A社 | B社 | |
|---|---|---|
| 月給 | 22万円 | 22万円 |
| 基本給 | 15万円 | 22万円 |
| 手当 | 職務手当4万円・住宅手当1万円・精皆勤手当2万円 | なし |
| 賞与(基本給×2か月) | 30万円 | 44万円 |
| 1年の合計 | 294万円 | 308万円 |
毎月の手取りは同じでも、1年で14万円の差になります。退職金を基本給で計算する会社なら、長く勤めるほど差が広がります。
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求人を紹介してもらう最低賃金を下回っていないか、計算で確かめる
基本給が低すぎると、最低賃金を下回っていることがあります。月給の人も、時給に直して確かめられます。最低賃金は、令和8年度に全国加重平均で1,177円になりました(最も高い東京都で1,280円)。
| 計算 | A社の例(東京都・年間休日120日・1日8時間) |
|---|---|
| 最低賃金の計算に入れる額 | 基本給15万円+職務手当4万円+住宅手当1万円=20万円(精皆勤手当は入れない) |
| 1か月の平均の所定労働時間 | (365日−120日)×8時間÷12=約163.3時間 |
| 時給に直すと | 20万円÷163.3時間=約1,225円 |
| 東京都の最低賃金 | 1,280円 → 下回っている |
この例では、時給に直すと東京都の最低賃金を下回る計算になります。地域や年間休日で結果は変わるので、自分の求人の数字で確かめてください。
出典:厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」(令和8年度)。全国加重平均1,177円、最も高い東京都1,280円、最も低い県1,085円。2026年10月1日から都道府県ごとに順次発効。
最低賃金の計算に入れないもの
- 精皆勤手当・通勤手当・家族手当
- 残業代・休日や深夜の割増
- 賞与など、臨時に払われるもの
出典:最低賃金法第4条、厚生労働省「最低賃金の対象となる賃金」。
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残業代の計算に入る手当・入らない手当
残業代は、基本給だけでなく、多くの手当も含めた額をもとに計算します。ただし、法律で計算に入れなくてよいと決まっている手当があります。
| 手当 | 残業代の計算 |
|---|---|
| 職務手当・資格手当・役職手当 | 入る |
| 精皆勤手当 | 入る |
| 家族手当・通勤手当 | 入らない |
| 住宅手当(住宅の費用に応じて払うもの) | 入らない |
| 賞与など臨時に払われるもの | 入らない |
基本給が低い会社でも、職務手当などがあれば残業代の計算には入ります。どの手当が計算に入っているかは、給与明細の残業代を自分で計算すると確かめられます。残業代・固定残業代の計算機も使ってみてください。
出典:労働基準法第37条第5項、労働基準法施行規則第21条。
全国の給料の水準と比べる
基本給が低いかどうかを考えるときは、同じ年代の毎月決まって払われる給与と比べるのが目安になります。
出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」。一般労働者・男女計の所定内給与額(6月分の、残業代などを含まない毎月決まって支払われる給与)。第2表の年齢階級別(20〜24歳 232.5千円、25〜29歳 267.2千円、30〜34歳 299.5千円)。
この平均には、基本給と毎月の手当がどちらも入っています。求人の月給がこの平均に近くても、そのうち基本給がいくらかで、賞与や退職金は変わります。
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求人を紹介してもらう求人票の実例を読む
基本給が低い求人でよくある書き方を3つ取り上げます(実在の会社の求人ではなく、よくある書き方の例です)。
| 求人票の書き方 | 読み方 | 面接で聞くこと |
|---|---|---|
| 月給22万円(基本給15万円+職務手当4万円+住宅手当1万円+精皆勤手当2万円) | 内訳が書いてある。基本給は低め | 賞与の計算のもとと、手当がなくなる条件 |
| 月給25万円以上(各種手当含む) | 基本給がわからない | 基本給の額と、手当の内訳 |
| 月給24万円(固定残業代3万円・調整手当2万円を含む) | 基本給は19万円。調整手当の意味は要確認 | 調整手当が何のためか、いつまで払われるか |
3つ目の「調整手当」は、最低賃金や前の給料との差を埋めるために使われることがあります。何のための手当かを必ず聞いてください。固定残業代の読み方は「固定残業45時間」の求人はやめとけ?でまとめています。
未経験歓迎希望に合う求人を、ご紹介します希望の職種と連絡先を入れるだけ。営業・事務・IT・施工管理などから、担当者がお探しします。 求人を紹介してもらう求人票と面接で確かめること
基本給の額
月給のうち、基本給がいくらかを聞きます。求人票に内訳がなければ必ず確かめます。
手当の条件
手当ごとに、払われる条件と、なくなる場合があるかを聞きます。
賞与と退職金の計算のもと
賞与や退職金が、基本給をもとに計算されるかを聞きます。
昇給のしかた
昇給するのは基本給か、手当か。去年の昇給の実績を聞きます。
面接で直接聞きにくいことは、弊社エージェントが代わりに確認します
- 基本給と手当の内訳、手当がなくなる条件
- 賞与・退職金の計算のもとと、去年の実績
- 昇給の実績(基本給が上がっているか)
本人が聞くと評価に響かないか心配な項目です。弊社のエージェント経由で応募する場合は、担当者が企業に確かめたうえでお伝えします。
入社したあとにやること
入社したら、労働条件通知書と給与明細で、聞いていた内訳と同じかを確かめます。
| 確かめること | どこで見るか |
|---|---|
| 基本給と手当の内訳 | 労働条件通知書・給与明細 |
| 手当の条件 | 就業規則(賃金規程) |
| 賞与・退職金の計算のしかた | 就業規則(賃金規程・退職金規程) |
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求人を紹介してもらう困ったときの相談先
最低賃金を下回っている、聞いていた手当が払われないなどのときは、公的な窓口に無料で相談できます。
| 窓口 | 相談できること |
|---|---|
| 総合労働相談コーナー(各都道府県の労働局・労働基準監督署の中) | 給料・手当・職場のトラブル全般 |
| 労働基準監督署 | 最低賃金を下回るなど、法律に反しているおそれがあるとき |
| 労働条件相談ほっとライン(厚生労働省の委託事業) | 平日の夜や土日にも電話で相談できる |
相談するときは、労働条件通知書と給与明細を持っていくと話が早く進みます。法律の判断が必要なことは、この記事では答えられません。
無料・メールで届きます入社前チェックシート(18項目)求人票8項目・面接6項目・内定後4項目。応募の前に、1枚で確認できます。 メールで受け取るまとめ:月給は「基本給の割合」で読む
基本給が低い求人で見ること
- 月給のうち、基本給がいくらか
- 手当ごとの条件と、なくなる場合
- 時給に直して、最低賃金を下回っていないか
- 賞与・退職金が基本給で計算されるか
- 昇給するのが基本給か手当か
基本給が低いこと自体は、違法ではありません。手当が手厚く、賞与も手当を含めて計算する会社もあります。大切なのは、月給の数字ではなく中身で比べることです。迷ったら、1年でもらえる額に直して比べてください。
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基本給が低いと何が困りますか?
賞与や退職金を基本給で計算する会社では、基本給が低いぶん少なくなります。手当は決まりを変えて減らされることもあります。
基本給はいくらなら低いですか?
はっきりした基準はありません。同じ月給の求人どうしで、基本給の割合と、賞与・退職金の計算のしかたを比べるのが確実です。
最低賃金はいくらですか?
令和8年度(2026年10月から順次)の最低賃金は、全国加重平均で1,177円、最も高い東京都で1,280円です(厚生労働省)。
月給の人は最低賃金をどう確かめますか?
精皆勤手当・通勤手当・家族手当などを除いた月給を、1か月の平均の所定労働時間で割って、時給に直して比べます。
手当は残業代の計算に入りますか?
職務手当や資格手当などは入ります。家族手当・通勤手当・住宅の費用に応じて払う住宅手当などは入りません。
調整手当とは何ですか?
会社によって意味が違います。最低賃金や前の給料との差を埋めるために使われることもあるので、何のための手当か、いつまで払われるかを確かめてください。
手当は減らされることがありますか?
就業規則の決まりを変えて、減らしたりなくしたりされることがあります。基本給は、本人の同意なく一方的に下げることはできません。
求人票に基本給が書いていません。
面接や内定のあとに、必ず内訳を聞いてください。書面(労働条件通知書)で確かめるのが確実です。
最低賃金を下回っていたら、どうすればいいですか?
各都道府県の労働局や労働基準監督署の中にある総合労働相談コーナーに、無料で相談できます。
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