人事はやめとけ? 未経験で入る前に見る5つの条件
「人事はやめとけ」。調べるとよく出てくる言葉です。ただ、人事と一口に言っても、採用・労務・教育・制度づくりと仕事の中身は会社によって大きく違います。この記事では、そう言われる理由を整理したうえで、未経験で応募する前に求人票と面接で確かめる5つの条件と、「この条件なら見送る」という線をまとめました。
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人事はどんな仕事か
人事は、会社で働く「人」に関わる仕事をまとめて担当する部署です。
大きく分けると、次の4つの仕事があります。小さな会社では1人か2人で全部を受け持つことも多く、大きな会社では担当が分かれています。
求人票に「人事」とだけ書いてあっても、実際は採用の電話対応が中心なのか、給与計算が中心なのかで、毎日の過ごし方がまったく違います。ここが、入ってからのずれが起きやすいところです。
責任者
人事の1日(例)
採用と労務を少人数で受け持つ会社の、ある1日の例です。午前は労務の書類、午後は採用と社員対応という分け方がよく見られます。
| 時間 | すること |
|---|---|
| 8:30 | 出社。メールとその日の作業を確認し、備品を補充 |
| 9:00 | 朝礼のあと労務の作業。入社する人の雇用契約書と社会保険の届出を作る |
| 10:30 | 提出が遅れている書類の催促、勤怠の打刻もれの確認と各部署への連絡 |
| 12:00 | 昼休み |
| 13:00 | 採用の作業。応募者への連絡、面接の日程調整、求人原稿の作成 |
| 14:00 | 面接の受付・案内。面接に同席して記録をとる |
| 16:00 | 社員からの問い合わせ(休みの申請・住所変更・扶養の手続きなど) |
| 17:45 | 翌日の面接と作業を確認 |
| 18:00 | 退社 |
参考:マイナビキャリレーション「人事事務とは」に掲載された1日の例をもとに、採用と労務を受け持つ場合に合わせて作成。
1日の流れとは別に、月や季節で忙しくなる時期があります。
| 時期 | 増える仕事 |
|---|---|
| 毎月の月末・月初 | 給与計算、入社・退社の手続き |
| 毎月10日まで | 給与から差し引いた所得税・住民税の納付 |
| 賞与の月 | 賞与の計算 |
| 11〜12月 | 年末調整 |
電話やメール、社員からの問い合わせで作業が中断されることが多い仕事です。途中で手を止めても、どこまで進めたかを記録しておく習慣があると、ミスを防げます。
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求人を紹介してもらう人事が「やめとけ」と言われる5つの理由
上位に出てくる記事や体験談を読むと、理由はおおむね次の5つにまとまります。
1. 会社と社員の板挟みになる
人事は、会社の方針を社員に伝える側です。評価や異動、ときには退職の話もします。社員からの不満を受け止めつつ、会社の決定には従う必要があり、どちらの味方にもなりきれない立場になりがちです。
2. 決まった時期に仕事が集中する
年末調整(11〜12月)、社会保険の算定基礎届(毎年7月)、新しく入る人の受け入れ(4月前後)など、毎年同じ時期に手続きが重なります。この時期は残業が増えやすくなります。
3. 成果が見えにくい
営業のように数字で成果が出る仕事ではありません。採用がうまくいっても、入った人が活躍するのは何年も先です。手続きはミスがなくて当たり前と見られやすく、評価されにくいと感じる人がいます。
4. 知りたくない情報を抱える
給与、評価、健康のこと、家庭の事情。人事には社員の個人的な情報が集まります。誰にも話せないので、気持ちの負担になることがあります。
5. 未経験だと任される範囲が狭い
「人事の仕事がしたい」と思って入っても、最初は書類の作成やデータ入力が中心のことがあります。思っていた仕事との差に戸惑う人がいます。
どれも「人事だから必ず起きる」わけではありません
- 担当する範囲、人数、会社の規模で、負担は大きく変わります
- だからこそ、応募する前に求人票と面接で確かめることが大切です
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応募する前に見る5つの条件
「やめとけ」と言われる理由の多くは、入る前に確かめられます。求人票と面接で見る条件を5つにまとめました。
条件1. 担当する仕事の範囲が書いてあるか
採用・労務・教育・制度のどれを担当するのかを見ます。「人事全般」とだけ書いてある場合は、面接で最初の1年に任される仕事を聞きます。
条件2. 人事の担当が何人いるか
1人で人事をすべて受け持つ「ひとり人事」は、未経験だと質問できる相手がいません。教えてくれる先輩がいるかを確かめます。
条件3. 繁忙期の残業が何時間か
月平均だけでなく、年末調整や採用が重なる時期の残業時間を聞きます。固定残業代がある場合は、何時間分かも見ます。
条件4. 給与計算や勤怠をどうやって管理しているか
勤怠や給与計算をシステムで行っているか、表計算ソフトや手作業かで、手間とミスの起きやすさが変わります。
条件5. 前の担当者はなぜ辞めたか
増員か欠員の補充かは、面接で聞いてかまいません。ただし前の担当者が辞めた理由は、応募する側からは直接聞きにくい項目です。弊社のエージェント経由で応募する場合は、担当者が企業に代わりに確認します。
面接で直接聞きにくいことは、弊社エージェントが代わりに確認します
- 前の担当者が辞めた理由
- 人事の担当者が、この数年で何人辞めているか
- 繁忙期の実際の残業時間と、人事の人が有給を取れているか
応募する本人が聞くと評価に響かないか心配な項目です。弊社のエージェント経由で応募する場合は、担当者が企業に確かめたうえでお伝えします。
面接で聞くときの言い方
条件を聞くのは失礼ではありません。前置きをつけると、自然に聞けます。
| 確かめたいこと | 聞き方の例 |
|---|---|
| 仕事の範囲 | 入社して最初の1年は、どの業務を担当することが多いですか |
| 人数と教える人 | 人事は何名いらっしゃいますか。最初はどなたに教わることになりますか |
| 繁忙期 | 年末調整や採用が重なる時期は、残業がどのくらい増えますか |
| 仕事の進め方 | 勤怠や給与計算は、どのような仕組みで管理されていますか |
| 募集の理由 | 今回は増員でしょうか、それとも欠員の補充でしょうか |
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求人を紹介してもらう人事に向いている人・向いていない人
向き不向きは、性格よりも何を苦にしないかで考えると分かりやすくなります。
| 見るところ | 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|---|
| 話を聞く | 相手の話を最後まで聞ける | すぐに結論を出したい |
| 細かい作業 | 同じ手続きを正確にくり返せる | 毎日違うことをしたい |
| 秘密を守る | 聞いた話を自分の中にしまっておける | 人に話して気持ちを整理したい |
| 評価 | 目立たなくても、支える役が好き | 数字で成果を示したい |
「数字で成果を示したい」人は、同じ人の仕事でも、人材紹介の営業やキャリアアドバイザーのほうが合うことがあります。
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適職診断をする(無料)20代の給料と休みを、公的なデータで見る
人事の給料は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」の職種「庶務・人事事務員」で確かめられます。人事のほか、総務・庶務の事務も含む分類です。ここでは、その年齢別の給与と、有給休暇の取り方の全国平均を示します。応募先の条件が、この目安と比べて高いか低いかを見る材料にしてください。
賞与(ボーナス)も含めた年収の目安は、次のとおりです。20代の残業は、平均で月9〜13時間でした。
| 年齢 | 月給(残業代除く) | 年収の目安 |
|---|---|---|
| 20〜24歳 | 約23.3万円 | 約340万円 |
| 25〜29歳 | 約26.3万円 | 約423万円 |
| 30〜34歳 | 約29.3万円 | 約478万円 |
| 全年齢 | 約32.5万円 | 約514万円 |
出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」第5表(職種(小分類)、年齢階級別、産業計)。一般労働者・男女計・企業規模計(10人以上)の「庶務・人事事務員」の値。毎月の給与は6月分の所定内給与額(20〜24歳 232.7千円、25〜29歳 263.2千円、30〜34歳 292.5千円、年齢計 324.7千円)。年収の目安は「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額(前年1年間)」で計算したもの(きまって支給する現金給与額・年間賞与は 20〜24歳 251.0千円・382.8千円、25〜29歳 291.6千円・733.8千円、30〜34歳 321.6千円・924.6千円、年齢計 346.5千円・977.2千円)。残業は超過実労働時間数(20〜24歳 9時間、25〜29歳 13時間)。正社員以外のフルタイムで働く人も含みます。
有給休暇は、1人あたり年16.9日付与され、実際に取れたのは平均11.0日(取得率65.3%)でした。人事は、この有給の管理を担当することが多い部署です。ただ、人事の人が実際に何日取れているかは、面接では聞きにくい項目です。弊社のエージェント経由なら、担当者が代わりに確認します。
出典:厚生労働省「令和6年就労条件総合調査」(令和5年1年間の状況)。
求人票の実例を読む
人事の求人でよくある書き方を3つ取り上げ、どう読むかをまとめました(実在の会社の求人ではなく、よくある書き方の例です)。
| 求人票の書き方 | 読み方 | 面接で聞くこと |
|---|---|---|
| 人事総務スタッフ(採用・労務・総務) | 人事と総務を1人か少人数で受け持つ可能性が高い。仕事の幅が広い | 担当の人数と、最初の1年の仕事の割合 |
| 人事アシスタント(採用担当) | 応募者への連絡と面接の日程調整が中心。採用の多い時期に忙しくなる | 採用の多い時期と、そのときの残業時間 |
| 労務スタッフ(給与計算・社会保険) | 毎月の締め日前後に作業が集中する。正確さが求められる | 給与計算のしくみ(システムか手作業か) |
入社1年目の流れ(例)
最初は「正確に、期限どおりに」が求められます。1年目に任される仕事が、この流れに近いかを面接で確かめると、入ってからのずれが減ります。
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適職診断をする(無料)入ってからよくある悩みと、その対処
社員から嫌われているように感じる
人事は会社の決定を伝える側なので、言われる側から距離を置かれることがあります。決定の理由を自分の言葉で説明できるようにすると、受け止め方が変わります。分からない点は上司に確かめてから伝えます。
ミスが許されない緊張が続く
給与や社会保険の手続きは、間違えると社員の生活に直結します。チェックリストを作り、ダブルチェックの仕組みがあるかを確かめます。仕組みがない職場では、自分から提案するのも一つの方法です。
法律の変更についていけない
労働や社会保険の制度は、毎年のように見直されます。厚生労働省や日本年金機構の案内を定期的に見る、社会保険労務士に相談できる体制を使う、といった方法で追いかけます。
採用の数字だけを求められる
採用人数の目標だけで評価される職場では、合わない人を採ってしまう圧力がかかります。入った人が定着しているかも評価に含まれるかを、面接の段階で聞いておくと安心です。
3年後・5年後の道
人事は、経験を積むほど任される範囲が広がる仕事です。よくある道は次のとおりです。
| 時期 | 任されることの例 |
|---|---|
| 1〜2年目 | 採用か労務の事務を1人で回す |
| 3年目ごろ | 採用の計画づくり、給与計算の取りまとめ、研修の運営 |
| 5年目ごろ | 評価制度や就業規則の見直し、人事の担当者のまとめ役 |
社会保険労務士やキャリアコンサルタントなどの資格を取って、専門性を高める人もいます。20代のうちに採用と労務の両方を経験しておくと、その後の選択肢が広がります。
責任者
未経験から人事をめざす順番
未経験からいきなり人事全般を任される求人は多くありません。入り口になりやすいのは次の2つです。
採用事務から入る
応募者への連絡、面接の日程調整、求人の掲載などを担当します。人と話す仕事が好きな人に向いています。
労務事務から入る
勤怠の集計、給与計算、入社・退社の手続きなどを担当します。正確に作業を進めるのが得意な人に向いています。
あると役に立つ知識・資格
- 表計算ソフト(Excelなど)の基本操作
- 社会保険と労働時間の基本(入ってから覚える会社も多い)
- 衛生管理者:常時50人以上が働く職場では選任が必要な国家資格。人事・総務が取ることが多い
- 社会保険労務士:労務の専門家の国家資格。難易度は高い
資格は、なくても応募できる求人がほとんどです。まずは担当範囲と教える人がいる会社を選ぶことのほうが大切です。
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適職診断をする(無料)20代・未経験の面接で聞かれること
人事の面接では、なぜ人事なのか、人の話を聞く力、秘密を守れるかがよく見られます。20代で社会人経験が浅くても、アルバイトや学生時代の経験で答えられます。
「なぜ人事の仕事をしたいのですか」
「人事は秘密を扱いますが、大丈夫ですか」
こちらから聞くとよいこと(逆質問)
- 入社して最初の1年は、どの業務を担当することが多いですか
- 人事の方は何名で、最初はどなたに教わりますか
- 年末調整や採用の多い時期は、残業がどのくらい増えますか
まとめ:人事は「やめとけ」ではなく「選び方しだい」
人事が「やめとけ」と言われるのは、板挟み・繁忙期・成果の見えにくさといった、仕事の性質によるものです。ただ、その重さは会社によって大きく変わります。
応募する前に見る5つの条件
- 担当する仕事の範囲が書いてあるか
- 人事の担当が何人いるか(教える人がいるか)
- 繁忙期の残業が何時間か
- 給与計算や勤怠をどう管理しているか
- 前の担当者はなぜ辞めたか
この5つを確かめて、答えが具体的に返ってくる会社を選べば、「入ってみたら違った」は減らせます。
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人事の給料はどのくらいですか?
人事を含む「庶務・人事事務員」の毎月の給与(残業代などを除く)の平均は、20〜24歳で約23.3万円、25〜29歳で約26.3万円です。賞与を含めた年収の目安は、20代前半で約340万円、20代後半で約423万円です(厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査)。
人事の仕事は残業が多いですか?
年末調整や社会保険の届出、採用の多い時期に集中しやすい仕事です。月平均だけでなく、その時期の残業時間を面接で聞いてください。
採用担当と労務担当、未経験ならどちらがいいですか?
人と話すのが好きなら採用、正確に作業を進めるのが得意なら労務が合いやすいです。どちらも人事の入り口になります。
人事の求人にある「総務兼務」とは何ですか?
備品の管理や来客対応など、総務の仕事も一緒に受け持つという意味です。仕事の幅が広くなるので、担当の割合を確かめてください。
20代で人事に転職するのは早すぎますか?
早すぎることはありません。20代のうちに採用や労務の事務から入り、経験を積んで担当を広げていく人は多くいます。
未経験から人事に転職するのは難しいですか?
人事全般を任される求人は少なめです。採用事務や労務事務など、担当がはっきりした事務の求人から入るのが現実的です。
人事に資格は必要ですか?
多くの求人では必須ではありません。衛生管理者や社会保険労務士は役に立ちますが、まずは担当範囲と教える人がいる会社を選ぶことのほうが大切です。
人事はなぜ忙しい時期があるのですか?
年末調整(11〜12月)や社会保険の算定基礎届(7月)、4月前後の入社対応など、毎年決まった時期に手続きが重なるためです。
ひとり人事の求人は避けたほうがいいですか?
未経験の場合は、質問できる相手がいないため負担が大きくなりがちです。応募するなら、外部の専門家(社会保険労務士など)に相談できる体制があるかを確かめてください。
人事の仕事が自分に合うか分かりません。
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次の一歩を決めませんか?