「賞与年2回」の求人はやめとけ? 実績と計算のしかたの読み方と見送る線
求人票の「賞与年2回」は、夏と冬にボーナスが出る、という意味です。ただ、賞与は法律で払う義務がなく、いくら出るか、本当に出るかは会社の決まりと業績次第です。「年2回」の言葉だけで年収を見積もると、入社してから思ったより少なかった、ということが起こります。この記事では、賞与のしくみ、計算のしかた、職種ごとの賞与の額を整理し、応募する前に確かめることと「この条件なら見送る」線をまとめました。
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賞与(ボーナス)とは
賞与は、毎月の給料とは別に、夏と冬などに払われるお金です。多くの会社では、会社の業績や本人の評価をもとに額が決まります。
賞与を払う会社は、そのしくみを就業規則に書くことになっています。いくら出るかは、就業規則の決まりと、会社の業績で変わります。
出典:労働基準法第89条第4号(臨時の賃金等の定め)。
責任者
「賞与年2回」の書き方と、その意味
求人票の賞与の書き方は、いくつかの形があります。書き方で、どこまでわかるかが変わります。
| 求人票の書き方 | わかること | わからないこと |
|---|---|---|
| 賞与年2回 | 回数 | 額・実績・条件 |
| 賞与年2回(業績による) | 額が業績で変わること | 去年の実績 |
| 賞与年2回(昨年度実績 計4.0か月分) | 去年の実績と月数 | 何の何か月分か(基本給か月給か) |
| 賞与年2回(昨年度実績 計4.0か月分/基本給ベース) | 実績と計算のもと | 今年も同じかはわからない |
一番わかるのは、去年の実績と、計算のもとが書いてある求人です。書いていなければ、面接で聞いてください。
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求人を紹介してもらう計算のもとで、同じ「4か月分」でも額が変わる
賞与は「基本給の◯か月分」で計算する会社が多くあります。同じ「年4か月分」でも、基本給によって額が変わります。
| A社 | B社 | |
|---|---|---|
| 月給 | 25万円 | 25万円 |
| 基本給 | 18万円 | 25万円 |
| 賞与(基本給×年4か月) | 72万円 | 100万円 |
| 1年の合計 | 372万円 | 400万円 |
月給は同じでも、賞与で28万円の差になります。基本給の見方は「基本給が低い」求人はやめとけ?でくわしくまとめています。
賞与からも引かれるものがある
- 賞与からも、健康保険・年金などの社会保険料と、所得税が引かれます
- 手取りは、額面のおよそ8割前後になることが多くあります
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職種ごとの賞与の額を、公的なデータで見る
20代後半の人が、1年間にどのくらい賞与などを受け取っているかを、職種別に比べます。
出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」第5表(職種(小分類)、年齢階級別、産業計)の25〜29歳の年間賞与その他特別給与額(建築技術者 943.6千円、その他の営業職業従事者 939.4千円、会計事務従事者 825.1千円、自動車組立従事者 782.0千円、庶務・人事事務員 733.8千円、その他の一般事務従事者 634.7千円、食料品・飲料・たばこ製造従事者 389.0千円)。
同じ20代後半でも、職種によって1年で2倍以上の差があります。この平均には、賞与のない会社で働く人も入っています。求人を見るときは、自分が応募する職種の水準と比べてください。
「支給日に在籍」の決まりに注意
多くの会社は、就業規則に「支給日に在籍している人に払う」という決まりを置いています(支給日在籍要件)。この決まりがあると、支給日の前に辞めた人は、賞与の対象の期間に働いていても受け取れないことがあります。
| よくある決まり | 意味 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 支給日在籍要件 | 支給日に在籍している人にだけ払う | 辞める時期を賞与のあとにするか考える |
| 算定期間 | いつからいつまでの働きで計算するか(例:夏は前年10月〜3月) | 入社した時期によって最初の賞与が少ない |
| 寸志 | 入社して最初の賞与は少額だけのこと | 中途入社の最初の賞与の額 |
最高裁判所は、支給日在籍要件を定めた就業規則の決まりを、有効と判断しています。転職の時期を考えるときは、賞与の支給日も確かめておきましょう。
出典:最高裁判所 昭和57年10月7日判決(裁判所ウェブサイト「裁判例検索」)。
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求人を紹介してもらう求人票の実例を読む
賞与の書き方でよくある例を3つ取り上げます(実在の会社の求人ではなく、よくある書き方の例です)。
| 求人票の書き方 | 読み方 | 面接で聞くこと |
|---|---|---|
| 賞与年2回(業績による) | 額も出るかどうかも業績次第 | この3年の実績(月数) |
| 賞与年2回(昨年度実績 計4.5か月分) | 実績は書いてある。計算のもとは不明 | 基本給で計算するか、月給で計算するか |
| 年収例 450万円(賞与含む) | 賞与を含めた一番よい場合の例のこともある | 年収例の人の年齢・年数と、賞与の内訳 |
3つ目の「年収例」は、入社して何年もたった人の例のことがあります。1年目の人の年収を聞くと、実際に近い数字がわかります。
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去年と、この数年の実績
去年の賞与が何か月分だったか、この数年で大きく変わっていないかを聞きます。
計算のもと
基本給の何か月分か、月給の何か月分か、評価でどのくらい変わるかを聞きます。
支給日と算定期間
支給月と、どの期間の働きで計算するか。中途入社の最初の賞与の扱いを聞きます。
1年目の人の年収
賞与を含めた、1年目の人の平均の年収を聞きます。
面接で直接聞きにくいことは、弊社エージェントが代わりに確認します
- この数年の賞与の実績(月数)
- 賞与の計算のもとと、評価による差
- 1年目の人の実際の年収
本人が聞くと評価に響かないか心配な項目です。弊社のエージェント経由で応募する場合は、担当者が企業に確かめたうえでお伝えします。
入社したあとにやること
入社したら、賞与の決まりが書いてある書面をそろえておきましょう。
| 確かめること | どこで見るか |
|---|---|
| 賞与の有無と計算のしかた | 就業規則(賃金規程) |
| 支給日・算定期間・在籍の決まり | 就業規則(賃金規程) |
| 実際に受け取った額 | 賞与の明細 |
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求人を紹介してもらう困ったときの相談先
就業規則に決まっている賞与が払われないなど、困ったときは公的な窓口に無料で相談できます。
| 窓口 | 相談できること |
|---|---|
| 総合労働相談コーナー(各都道府県の労働局・労働基準監督署の中) | 給料・賞与・職場のトラブル全般 |
| 労働基準監督署 | 法律に反しているおそれがあるときの相談・申告 |
| 労働条件相談ほっとライン(厚生労働省の委託事業) | 平日の夜や土日にも電話で相談できる |
相談するときは、就業規則(賃金規程)と賞与の明細を持っていくと話が早く進みます。法律の判断が必要なことは、この記事では答えられません。
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賞与年2回の求人で見ること
- 去年と、この数年の実績(月数)
- 計算のもと(基本給か月給か)
- 支給日・算定期間・在籍の決まり
- 1年目の人の年収
- 応募する職種の賞与の水準と比べてどうか
賞与は、出れば年収を大きく押し上げますが、約束されたお金ではありません。迷ったら、毎月の給料だけで生活できるかを先に確かめ、賞与は上乗せとして考えるのが安全です。
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賞与年2回とは、いくら出るという意味ですか?
夏と冬など年に2回払うという回数の意味で、額は約束していません。去年の実績と計算のしかたを確かめてください。
賞与は必ず払われますか?
法律で払う義務はありません。払う会社は就業規則に決まりを書きますが、額は業績や評価で変わることが多いです。
「昨年度実績4か月分」はどう読めばいいですか?
去年は、基本給(または月給)の4か月分が1年で払われたという意味です。何の4か月分かを確かめてください。
20代の賞与はどのくらいですか?
職種で大きく違います。25〜29歳の1年間の賞与などの平均は、会計事務従事者で約82.5万円、庶務・人事事務員で約73.4万円、食料品・飲料製造従事者で約38.9万円です(厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査)。
支給日在籍要件とは何ですか?
賞与の支給日に在籍している人にだけ払う、という決まりです。支給日の前に辞めると、受け取れないことがあります。
中途入社だと最初の賞与は出ますか?
算定期間の途中で入社すると、最初の賞与は少なかったり、寸志だけだったりすることがあります。面接で確かめてください。
賞与からも税金は引かれますか?
引かれます。社会保険料と所得税が引かれ、手取りは額面のおよそ8割前後になることが多くあります。
年収例は信じていいですか?
入社して何年もたった人や、賞与が満額出た場合の例のことがあります。1年目の人の年収を聞くと、実際に近い数字がわかります。
賞与が払われないときは、どこに相談できますか?
就業規則で決まっている賞与が払われない場合は、総合労働相談コーナーに無料で相談できます。
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