「大量募集」の求人はやめとけ? 伸びている会社と辞める人が多い会社の見分け方と見送る線
「未経験から50名大量採用」「同期がたくさんいます」。採用される人数が多いと、受かりやすく、仲間もいて心強そうに見えます。ただ、大量に採る理由が「事業が伸びている」なのか、「辞める人が多くて、いつも足りない」なのかで、入ったあとの毎日は大きくちがいます。この記事では、大量募集の理由の見分け方、求人の表示の決まり、全国の入職率と離職率を確かめ、社員数と募集人数の比べ方を計算で示したうえで、求人票と面接で確かめることと「この条件なら見送る」線をまとめました。
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「大量募集」とは
「大量募集」は、法律で決まった言葉ではありません。一度にたくさんの人を採ることを伝えるための言い方です。何人からが「大量」かという基準もありません。
求人でよく見る言い方
| 言い方 | 読み方 |
|---|---|
| ○○名大量募集 | 人数は多い。社員数と比べて読む |
| 新店オープンにつき大量募集 | 理由がはっきりしている。開店後の配置を確かめる |
| 同期がたくさん | まとめて研修する会社に多い。去年の同期が何人残っているかを聞く |
| 積極採用中・通年採用 | いつでも採る。理由が伸びか入れ替わりかを見る |
責任者
法律の決まり:表示と、若い人に示す情報
求人の情報は、正しく、誤解のないように示すことが決まっています。また、若い人の募集では、採った人数と辞めた人数などの情報を示すしくみがあります。
| 決まり | 内容 |
|---|---|
| 正しい表示(職業安定法第5条の4) | うその表示や、誤解を生む表示をしてはいけない。古い情報のままにしない(2022年10月から) |
| 働く条件を示す(職業安定法第5条の3) | 仕事の内容、給料、働く時間などを、応募する人に示す |
| 若い人に示す情報(若者雇用促進法) | 新卒などの募集で求められたら、①採用と離職の状況、②研修など育て方、③残業や有給などから、それぞれ1つ以上を示す |
| ①の項目の例 | 直近3年度の新卒の採用者数と離職者数、平均の勤続年数など |
人数を多く書くこと自体は問題ではありません。ただ、実際に採るつもりがない人数を書いて人を集めるのは、正しい表示とはいえません。
出典:職業安定法第5条の3・第5条の4、厚生労働省「青少年雇用情報の提供について」(青少年の雇用の促進等に関する法律)。
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求人を紹介してもらう全国のデータ:1年で入る人・辞める人
大量募集の会社を見るときの物差しとして、全国の数字を押さえておきます。
| 数字 | 意味 |
|---|---|
| 離職率 14.2% | 1年で、働く人のおよそ7人に1人が辞めている |
| 3年以内の離職 33.8%(大学卒) | 就職した人のおよそ3人に1人が、3年以内に辞めている |
応募する会社の1年の離職率や、去年採った人が残っている割合が、この全国の数字よりずっと悪いなら、大量募集の理由が「入れ替わり」である可能性を考えましょう。
出典:厚生労働省「令和6年雇用動向調査」(2025年8月公表)、「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」(2025年10月公表)。
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計算で見る:社員数と募集人数を比べる
募集人数は、社員数と、1年で社員がどれだけ増えたかと比べると意味がわかります(計算のための例です)。
| A社(伸びている) | B社(入れ替わりが多い) | |
|---|---|---|
| 社員数 | 200人 | 200人 |
| 1年で採った人 | 50人 | 50人 |
| 1年で辞めた人 | 20人 | 48人 |
| 1年後の社員数 | 230人(30人増) | 202人(ほぼ同じ) |
| 離職率の目安 | 約10% | 約24% |
どちらも「50名大量採用」ですが、B社は採った分がほぼ辞めた分で消えています。社員数がここ数年ほとんど変わらないのに、毎年たくさん採っている会社は、この形に近いかもしれません。
計算で見えること
- 募集人数だけでなく、社員数の数年の変化を見る
- 「去年採った人のうち何人残っているか」が一番わかりやすい
- 離職率=1年で辞めた人÷年の初めの社員数、で目安が出る
なぜ「やめとけ」と言われるのか
大量募集の会社には、同期と励まし合える、まとめた研修がある、といったよいところもあります。一方で、次のような声が聞かれることがあります。
| 入ってから聞く声 | 起きていること |
|---|---|
| 同期が半年で半分になった | 辞める前提で多めに採っている |
| 研修が短く、すぐ現場に出された | 人数が多く、教える人が足りない |
| 希望とちがう部署に配られた | 人が足りない現場に順に割り当てられる |
| 成績で比べられ続ける | 同期の中で数字を競わせ、残った人を残す |
| 面接があっという間に終わった | 人を選ぶより、人数を集めることが目的になっている |
とくに「面接が短く、すぐ内定が出た」ときは、仕事の中身や条件をこちらから聞く時間をとりましょう。
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求人を紹介してもらう求人票の実例を読む
大量募集によくある書き方を、3つの型で読みます(実在の会社の求人ではなく、よくある書き方の例です)。
| 求人票の書き方 | 読み方 | 面接で聞くこと |
|---|---|---|
| 新拠点の立ち上げにつき、2026年度に30名採用予定(社員数 約300名) | 理由と時期がはっきりしている | 立ち上げのあとの配置と、研修の担当者 |
| 未経験50名大量募集! 学歴・経験不問、即日内定あり | 人数と早さだけが強調されている | 去年採った人のうち、残っている人数 |
| 通年採用・常に募集中(社員数 約40名) | 小さな会社でいつも募集している | なぜいつも募集しているのか、この1年の入社と退職の人数 |
3つ目のように社員数が少ないのにいつも募集している会社は、伸びているのか、入れ替わりが多いのかを必ず確かめましょう。
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なぜ大量に採るのか
新しい事業や拠点のためか、辞めた人の分を補うためかを聞きます。
去年採った人の今
去年入った人のうち、いま何人残っているかを聞きます。新卒などの募集なら、直近3年度の採用者数と離職者数を示してもらえることがあります。
研修と教える人の数
同期が多いとき、研修の期間と、1人の先輩が何人を見るかを確かめます。
配属の決まり方
希望が聞かれるのか、人が足りない場所に順に配られるのかを聞きます。
会社に直接聞きにくい数字は、担当のエージェントが確かめます
- 去年採った人のうち、残っている人数
- 大量に採る本当の理由
- 研修のあとの配属の決まり方
入社したあとにやること
同期が多い会社では、最初の3か月の過ごし方がその後を左右します。
| 確かめること | どこで見るか |
|---|---|
| 仕事の内容と、働く場所が変わる範囲 | 労働条件通知書 |
| 研修の期間と中身 | 研修の案内、上司への確認 |
| 評価のしかた | 就業規則、評価の規程 |
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求人を紹介してもらう困ったときの相談先
求人票とちがう仕事をさせられている、説明と条件がちがう、といったときは、公的な窓口に無料で相談できます。
| 窓口 | 相談できること |
|---|---|
| 総合労働相談コーナー(各都道府県の労働局・労働基準監督署の中) | 職場のトラブル全般 |
| ハローワーク | 求人票の内容と実際がちがうとき |
| 労働基準監督署 | 給料や働く時間が、法律に反しているおそれがあるとき |
相談には、求人票、労働条件通知書、言われたことのメモを持っていくと話が早く進みます。法律の判断が必要なことは、この記事では答えられません。
無料・メールで届きます入社前チェックシート(18項目)求人票8項目・面接6項目・内定後4項目。応募の前に、1枚で確認できます。 メールで受け取るまとめ:「大量募集」は「なぜ」と「残った人数」で読む
「大量募集」の求人で見ること
- 大量に採る理由が、具体的に説明されるか
- 去年採った人のうち、残っている人数
- 社員数の数年の変化
- 研修の期間と、教える人の数
- 面接で、こちらの質問に答える時間があるか
大量募集は、理由と育て方がはっきりしていれば、未経験の20代にとって入りやすい入口です。人数の多さに安心せず、なぜ採るのか、何人残っているのかを確かめてから応募しましょう。いつも出ている求人の読み方は「急募」の記事、育て方の見方は「未経験歓迎」の記事も参考になります。
相談無料・LINEでやり取り求人票の見方に迷ったら、聞いてみませんか気になる求人の条件を、こちらで調べたうえでご案内します。 LINEで無料相談するよくある質問
大量募集の会社はブラック企業ですか?
必ずではありません。事業が伸びている、新しい拠点を作るなど、理由がはっきりした大量募集もあります。採る理由と、去年採った人が残っている人数で判断しましょう。
大量募集なら受かりやすいですか?
採る人数が多いので、受かりやすいことはあります。ただ、受かりやすさより、入ったあと続けられるかを先に考えましょう。
何人からが「大量」ですか?
決まった基準はありません。社員数と比べて、募集人数がどのくらいの割合かで見ると意味がわかります。
全国では、1年でどのくらいの人が辞めていますか?
2024年の離職率は14.2%、入職率は14.8%でした(厚生労働省 令和6年雇用動向調査)。
会社の離職者数は教えてもらえますか?
新卒などの募集では、求めれば直近3年度の採用者数と離職者数などを示すしくみがあります(若者雇用促進法)。中途の募集でも、面接で聞いてみてください。
同期が多いのはよいことですか?
励まし合える、まとめて研修が受けられるなどのよい点があります。去年の同期が何人残っているかもあわせて聞きましょう。
面接がすぐ終わって内定が出ました。大丈夫ですか?
人数を集めることが目的になっている場合もあります。承諾する前に、仕事の内容・給料・働く時間を書面で確かめましょう。
いつも求人が出ている会社は避けたほうがいいですか?
伸びている会社の場合もあります。社員数の変化と、この1年の入社と退職の人数を聞いて判断しましょう。
求人票と仕事の内容がちがうときは、どこに相談できますか?
ハローワークや、総合労働相談コーナー(労働局・労働基準監督署の中)に無料で相談できます。
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