「昇給年2回」の求人はやめとけ? 回数より「1年の合計」で読む見送る線
「昇給年2回!」。年に2回も給料が上がるなら、早く収入を増やしたい20代には魅力的に見えます。ただ、1回あたりの額が小さければ、年1回の会社より1年で上がる額が少ないこともあります。また、半年ごとの評価で、上がらない回や下がる回がある会社もあります。この記事では、年2回の昇給のしくみと法律での扱い、全国の賃上げの実績を確かめ、年1回との比べ方を計算で示したうえで、求人票と面接で確かめることと「この条件なら見送る」線をまとめました。
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「昇給年2回」とは
「昇給年2回」は、給料を見直す機会が1年に2回あるという意味です。多くは、半年ごとの評価(たとえば4月と10月)に合わせて給料を決め直します。ただし、毎回必ず上がる、という約束ではありません。
年1回の会社とのちがい
| 年1回 | 年2回 | |
|---|---|---|
| 見直しの時期 | 多くは4月 | 4月と10月など |
| 評価の期間 | 1年分をまとめて見る | 半年ごとに見る |
| よいところ | 1回の額が大きいことが多い | 成果が早く給料に返る |
| 気をつけること | 上がるまで1年待つ | 1回の額が小さい、評価が多く気が抜けない |
責任者
法律の決まり:回数は会社が決める
昇給の回数や額を決める法律はありません。会社が就業規則で決めます。ただし、決まりを示すことは求められています。
| 決まり | 内容 |
|---|---|
| 働く条件を示す(労働基準法第15条) | 昇給に関することは、雇うときに示す事項の1つ。ただし書面で渡す義務まではない |
| 就業規則(労働基準法第89条) | 昇給に関することを書く(10人以上の職場) |
| 給料を下げる場合 | 評価で下がる(降給)しくみは、就業規則などに根拠が必要とされる |
| 決まりを変える場合(労働契約法) | 働く人に不利に変えるには、同意か、合理的な理由が要る |
「年2回」は口頭で説明されることも多いので、就業規則の賃金の決まりで、時期・決め方・下がることがあるかを確かめておきましょう。
出典:労働基準法第15条・同法施行規則第5条、労働基準法第89条第2号、労働契約法第9条・第10条。
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求人を紹介してもらう全国のデータ:1年でどのくらい上がっているか
厚生労働省の調査では、2025年に1人あたりの給料を引き上げた(予定を含む)企業は91.5%、1人あたりの毎月の給料の引き上げは平均13,601円(4.4%)でした。
| 年 | 引き上げた企業 | 引き上げ額 | 引き上げ率 |
|---|---|---|---|
| 2024年 | 91.2% | 11,961円 | 4.1% |
| 2025年 | 91.5% | 13,601円 | 4.4% |
この数字は1年間の合計です。年2回の会社なら、2回を足した額をこの数字と比べると、上がり方の目安になります。調査は常用労働者100人以上の企業が対象なので、小さい会社では低めになることがあります。
出典:厚生労働省「令和7年賃金引上げ等の実態に関する調査」「令和6年賃金引上げ等の実態に関する調査」。
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計算で見る:年1回と年2回、1年でいくら上がるか
月給22万円で入社した場合を比べます(計算のための例です)。
| 昇給のしかた | 1年で上がる額 | 1年後の月給 | 3年後の月給 |
|---|---|---|---|
| 年1回・8,000円 | 8,000円 | 22.8万円 | 24.4万円 |
| 年2回・各3,000円 | 6,000円 | 22.6万円 | 23.8万円 |
| 年2回・各5,000円 | 10,000円 | 23.0万円 | 25.0万円 |
| 年2回・上がるのは評価Aの回だけ(年に1回ほど) | 約3,000円 | 約22.3万円 | 約22.9万円 |
年2回でも、1回の額が小さいと、年1回の会社より上がり方は遅くなります。見るべきは回数ではなく1年の合計です。
計算で見えること
- 「年2回」の言葉より、2回を足した額で比べる
- 毎回上がるのか、評価がよい回だけかで大きくちがう
- 早く上がる分、1年目の受け取りの合計はやや増える
昇給のしくみ全体は「昇給あり」の記事にまとめています。
なぜ「やめとけ」と言われるのか
年2回の昇給は、がんばりが早く給料に返る、よいしくみにもなります。ただ、次のような声も聞かれます。
| 入ってから聞く声 | 起きていること |
|---|---|
| 1回に数百円〜数千円しか上がらない | 1年分を2回に分けているだけで、合計は多くない |
| 上がらない回のほうが多い | 「機会が2回」で、上がるのは評価がよい回だけ |
| 評価で下がることがあった | 半年ごとに上げ下げするしくみだった |
| 半年ごとの面談や目標づくりが負担 | 評価の回数が多く、準備に時間がかかる |
| 賞与は少なかった | 昇給を目立たせ、賞与や基本給の弱さが見えにくい |
とくに「下がることもある」は、入る前に知っておきたい点です。評価が下がった回に給料がどうなるかを聞きましょう。
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求人を紹介してもらう求人票の実例を読む
「昇給年2回」の求人によくある書き方を、3つの型で読みます(実在の会社の求人ではなく、よくある書き方の例です)。
| 求人票の書き方 | 読み方 | 面接で聞くこと |
|---|---|---|
| 昇給年2回(4月・10月)、昨年度実績 年間平均12,000円 | 時期と1年の合計の実績がある | 評価による差の幅 |
| 昇給年2回! 頑張りをすぐ給料に反映 | 回数だけで、額も実績もない | 1回あたりの平均の額と、上がった人の割合 |
| 昇給年2回(評価により昇降給あり) | 下がることもあると書いてある | 下がった人の割合と、下がる幅 |
1つ目のように1年の合計の実績が書いてある求人は、比べやすい書き方です。
未経験歓迎希望に合う求人を、ご紹介します希望の職種と連絡先を入れるだけ。営業・事務・IT・施工管理などから、担当者がお探しします。 求人を紹介してもらう求人票と面接で確かめること
1回あたりと、1年の合計
この数年の、1回あたりの平均の額と、1年の合計を聞きます。
毎回上がるのか
2回とも上がる人の割合、上がらない回がある人の割合を聞きます。
下がることはあるか
評価で給料が下がるしくみがあるか、あるならどのくらいかを確かめます。
評価の基準と面談
半年ごとに何を見て評価するか、誰が評価するかを聞きます。
実績の数字は、担当のエージェントから会社に確かめられます
- この数年の昇給の1年の合計
- 2回とも上がった人の割合
- 降給があったかどうか
入社したあとにやること
年2回の昇給がある会社では、半年ごとに自分の評価と給料を記録しておくと、上がり方が見えてきます。
| 確かめること | どこで見るか |
|---|---|
| 昇給の時期と決め方 | 就業規則(賃金規程)、評価の規程 |
| 自分の評価の結果 | 評価の面談、評価の通知 |
| 上がった額 | 昇給の前と後の給料の明細 |
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求人を紹介してもらう困ったときの相談先
決まりにある昇給がされない、根拠なく給料を下げられた、といったときは、公的な窓口に無料で相談できます。
| 窓口 | 相談できること |
|---|---|
| 総合労働相談コーナー(各都道府県の労働局・労働基準監督署の中) | 給料・評価など職場のトラブル全般。話し合いの手助け(あっせん)も |
| 労働基準監督署 | 法律に反しているおそれがあるとき |
| 労働条件相談ほっとライン(厚生労働省の委託事業) | 夜や土日も電話で相談できる |
相談には、就業規則(賃金規程)、評価の通知、昇給の前と後の給料の明細を持っていくと話が早く進みます。法律の判断が必要なことは、この記事では答えられません。
無料・メールで届きます入社前チェックシート(18項目)求人票8項目・面接6項目・内定後4項目。応募の前に、1枚で確認できます。 メールで受け取るまとめ:「年2回」は「1年の合計」と「下がるか」で読む
「昇給年2回」の求人で見ること
- 1回あたりの額と、1年の合計の実績
- 2回とも上がる人の割合
- 評価で下がることがあるか
- 評価の基準と、誰が評価するか
- 基本給と賞与の水準
昇給の回数が多いことは、額と実績がともなえばよい条件です。回数だけを見ず、1年でいくら上がっているかを、ほかの会社と同じものさしで比べてから応募しましょう。賞与もあわせて見たい人は「賞与年2回」の記事もどうぞ。
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「昇給年2回」なら、年に2回必ず給料が上がりますか?
多くは「見直しの機会が2回ある」という意味で、毎回上がるとは限りません。2回とも上がる人の割合を確かめましょう。
年1回と年2回では、どちらが得ですか?
回数ではなく、1年で上がる額の合計で比べます。年2回でも1回の額が小さければ、年1回の会社より少ないことがあります。
昇給で給料が下がることはありますか?
評価によって給料が下がるしくみの会社もあります。就業規則などに根拠が必要とされるので、入る前に決まりを確かめましょう。
全国では、1年でどのくらい給料が上がっていますか?
2025年の1人あたりの毎月の給料の引き上げは平均13,601円、引き上げ率は4.4%でした(厚生労働省 令和7年賃金引上げ等の実態に関する調査、100人以上の企業が対象)。
昇給の回数は法律で決まっていますか?
決まっていません。会社が就業規則で決めます。昇給に関することは、雇うときに示す事項の1つです。
年2回の評価は大変ですか?
半年ごとに目標づくりや面談があるので、手間は増えます。その分、がんばりが早く給料に返る面もあります。
面接で昇給の実績を聞いてもいいですか?
聞いて大丈夫です。「長く働きたいので、評価と昇給のしくみを知りたい」と伝えると自然です。
昇給の説明は書面でもらえますか?
昇給は書面で渡す義務まではありません。就業規則の賃金の決まりを見せてもらうか、説明をメールで残してもらいましょう。
決まりどおりに昇給しないときは、どこに相談できますか?
総合労働相談コーナー(労働局・労働基準監督署の中)に無料で相談できます。
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