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やめとけ図鑑2026-10-29 公開 | 約8分で読めます

「昇給年2回」の求人はやめとけ? 回数より「1年の合計」で読む見送る線

監修 ・ 人材紹介事業 責任者 木下美紀 やめとけ図鑑 「昇給年2回」の求人はやめ とけ? 回数より「1年の合 計」で読む見送る線 samurai HR | 2026-10-29

「昇給年2回!」。年に2回も給料が上がるなら、早く収入を増やしたい20代には魅力的に見えます。ただ、1回あたりの額が小さければ、年1回の会社より1年で上がる額が少ないこともあります。また、半年ごとの評価で、上がらない回や下がる回がある会社もあります。この記事では、年2回の昇給のしくみと法律での扱い、全国の賃上げの実績を確かめ、年1回との比べ方を計算で示したうえで、求人票と面接で確かめることと「この条件なら見送る」線をまとめました。

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「昇給年2回」とは

「昇給年2回」は、給料を見直す機会が1年に2回あるという意味です。多くは、半年ごとの評価(たとえば4月と10月)に合わせて給料を決め直します。ただし、毎回必ず上がる、という約束ではありません。

年2回の昇給によくある3つの形 半期の評価 半年ごとに 評価して見直す 定期+臨時 年1回の定期に 成果の昇給を足す 等級の見直し 年2回の機会に 等級が上がれば昇給
どの形かで、上がる額と上がりやすさが変わります。

年1回の会社とのちがい

年1回年2回
見直しの時期多くは4月4月と10月など
評価の期間1年分をまとめて見る半年ごとに見る
よいところ1回の額が大きいことが多い成果が早く給料に返る
気をつけること上がるまで1年待つ1回の額が小さい、評価が多く気が抜けない
木下美紀人材紹介事業
責任者

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木下美紀

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法律の決まり:回数は会社が決める

昇給の回数や額を決める法律はありません。会社が就業規則で決めます。ただし、決まりを示すことは求められています。

決まり内容
働く条件を示す(労働基準法第15条)昇給に関することは、雇うときに示す事項の1つ。ただし書面で渡す義務まではない
就業規則(労働基準法第89条)昇給に関することを書く(10人以上の職場)
給料を下げる場合評価で下がる(降給)しくみは、就業規則などに根拠が必要とされる
決まりを変える場合(労働契約法)働く人に不利に変えるには、同意か、合理的な理由が要る

「年2回」は口頭で説明されることも多いので、就業規則の賃金の決まりで、時期・決め方・下がることがあるかを確かめておきましょう。

出典:労働基準法第15条・同法施行規則第5条、労働基準法第89条第2号、労働契約法第9条・第10条。

全国のデータ:1年でどのくらい上がっているか

厚生労働省の調査では、2025年に1人あたりの給料を引き上げた(予定を含む)企業は91.5%、1人あたりの毎月の給料の引き上げは平均13,601円(4.4%)でした。

1人あたり毎月の給料の引き上げ率 2024年 4.1% 2025年 4.4%
定期昇給とベースアップなどを合わせた、1年間の引き上げ率です。
年引き上げた企業引き上げ額引き上げ率
2024年91.2%11,961円4.1%
2025年91.5%13,601円4.4%

この数字は1年間の合計です。年2回の会社なら、2回を足した額をこの数字と比べると、上がり方の目安になります。調査は常用労働者100人以上の企業が対象なので、小さい会社では低めになることがあります。

出典:厚生労働省「令和7年賃金引上げ等の実態に関する調査」「令和6年賃金引上げ等の実態に関する調査」。

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計算で見る:年1回と年2回、1年でいくら上がるか

月給22万円で入社した場合を比べます(計算のための例です)。

昇給のしかた1年で上がる額1年後の月給3年後の月給
年1回・8,000円8,000円22.8万円24.4万円
年2回・各3,000円6,000円22.6万円23.8万円
年2回・各5,000円10,000円23.0万円25.0万円
年2回・上がるのは評価Aの回だけ(年に1回ほど)約3,000円約22.3万円約22.9万円

年2回でも、1回の額が小さいと、年1回の会社より上がり方は遅くなります。見るべきは回数ではなく1年の合計です。

計算で見えること

  • 「年2回」の言葉より、2回を足した額で比べる
  • 毎回上がるのか、評価がよい回だけかで大きくちがう
  • 早く上がる分、1年目の受け取りの合計はやや増える

昇給のしくみ全体は「昇給あり」の記事にまとめています。

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なぜ「やめとけ」と言われるのか

年2回の昇給は、がんばりが早く給料に返る、よいしくみにもなります。ただ、次のような声も聞かれます。

入ってから聞く声起きていること
1回に数百円〜数千円しか上がらない1年分を2回に分けているだけで、合計は多くない
上がらない回のほうが多い「機会が2回」で、上がるのは評価がよい回だけ
評価で下がることがあった半年ごとに上げ下げするしくみだった
半年ごとの面談や目標づくりが負担評価の回数が多く、準備に時間がかかる
賞与は少なかった昇給を目立たせ、賞与や基本給の弱さが見えにくい

とくに「下がることもある」は、入る前に知っておきたい点です。評価が下がった回に給料がどうなるかを聞きましょう。

求人票の実例を読む

「昇給年2回」の求人によくある書き方を、3つの型で読みます(実在の会社の求人ではなく、よくある書き方の例です)。

求人票の書き方読み方面接で聞くこと
昇給年2回(4月・10月)、昨年度実績 年間平均12,000円時期と1年の合計の実績がある評価による差の幅
昇給年2回! 頑張りをすぐ給料に反映回数だけで、額も実績もない1回あたりの平均の額と、上がった人の割合
昇給年2回(評価により昇降給あり)下がることもあると書いてある下がった人の割合と、下がる幅

1つ目のように1年の合計の実績が書いてある求人は、比べやすい書き方です。

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求人票と面接で確かめること

1回あたりと、1年の合計

この数年の、1回あたりの平均の額と、1年の合計を聞きます。

毎回上がるのか

2回とも上がる人の割合、上がらない回がある人の割合を聞きます。

下がることはあるか

評価で給料が下がるしくみがあるか、あるならどのくらいかを確かめます。

評価の基準と面談

半年ごとに何を見て評価するか、誰が評価するかを聞きます。

この答えなら、ほかの求人と比べる 1回の額や1年の合計を聞いても、数字が出てこない 2回とも上がる人はほとんどいない、と言われた 評価で下がることがあるのに、その基準が決まっていない 昇給の話ばかりで、基本給や賞与の説明があいまい
当てはまる項目が多いほど、回数の多さは強みになりません。

実績の数字は、担当のエージェントから会社に確かめられます

  • この数年の昇給の1年の合計
  • 2回とも上がった人の割合
  • 降給があったかどうか

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入社したあとにやること

年2回の昇給がある会社では、半年ごとに自分の評価と給料を記録しておくと、上がり方が見えてきます。

年2回の昇給がある会社の1年 入社日 賃金規程で 時期と決め方を読む 半年目 評価面談で 基準を聞く 1回目の昇給 明細で 上がった額を見る 1年目 2回の合計を 聞いた実績と比べる
聞いていた実績と大きくちがうときは、理由を上司や人事に聞きましょう。
確かめることどこで見るか
昇給の時期と決め方就業規則(賃金規程)、評価の規程
自分の評価の結果評価の面談、評価の通知
上がった額昇給の前と後の給料の明細

困ったときの相談先

決まりにある昇給がされない、根拠なく給料を下げられた、といったときは、公的な窓口に無料で相談できます。

窓口相談できること
総合労働相談コーナー(各都道府県の労働局・労働基準監督署の中)給料・評価など職場のトラブル全般。話し合いの手助け(あっせん)も
労働基準監督署法律に反しているおそれがあるとき
労働条件相談ほっとライン(厚生労働省の委託事業)夜や土日も電話で相談できる

相談には、就業規則(賃金規程)、評価の通知、昇給の前と後の給料の明細を持っていくと話が早く進みます。法律の判断が必要なことは、この記事では答えられません。

無料・メールで届きます入社前チェックシート(18項目)求人票8項目・面接6項目・内定後4項目。応募の前に、1枚で確認できます。 メールで受け取る

まとめ:「年2回」は「1年の合計」と「下がるか」で読む

「昇給年2回」の求人で見ること

  • 1回あたりの額と、1年の合計の実績
  • 2回とも上がる人の割合
  • 評価で下がることがあるか
  • 評価の基準と、誰が評価するか
  • 基本給と賞与の水準

昇給の回数が多いことは、額と実績がともなえばよい条件です。回数だけを見ず、1年でいくら上がっているかを、ほかの会社と同じものさしで比べてから応募しましょう。賞与もあわせて見たい人は「賞与年2回」の記事もどうぞ。

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よくある質問

「昇給年2回」なら、年に2回必ず給料が上がりますか?

多くは「見直しの機会が2回ある」という意味で、毎回上がるとは限りません。2回とも上がる人の割合を確かめましょう。

年1回と年2回では、どちらが得ですか?

回数ではなく、1年で上がる額の合計で比べます。年2回でも1回の額が小さければ、年1回の会社より少ないことがあります。

昇給で給料が下がることはありますか?

評価によって給料が下がるしくみの会社もあります。就業規則などに根拠が必要とされるので、入る前に決まりを確かめましょう。

全国では、1年でどのくらい給料が上がっていますか?

2025年の1人あたりの毎月の給料の引き上げは平均13,601円、引き上げ率は4.4%でした(厚生労働省 令和7年賃金引上げ等の実態に関する調査、100人以上の企業が対象)。

昇給の回数は法律で決まっていますか?

決まっていません。会社が就業規則で決めます。昇給に関することは、雇うときに示す事項の1つです。

年2回の評価は大変ですか?

半年ごとに目標づくりや面談があるので、手間は増えます。その分、がんばりが早く給料に返る面もあります。

面接で昇給の実績を聞いてもいいですか?

聞いて大丈夫です。「長く働きたいので、評価と昇給のしくみを知りたい」と伝えると自然です。

昇給の説明は書面でもらえますか?

昇給は書面で渡す義務まではありません。就業規則の賃金の決まりを見せてもらうか、説明をメールで残してもらいましょう。

決まりどおりに昇給しないときは、どこに相談できますか?

総合労働相談コーナー(労働局・労働基準監督署の中)に無料で相談できます。

昇給の実績がはっきりした求人を探したいです。

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木下美紀
監修:木下美紀(samurai HR 人材紹介事業 責任者) 年間100名の求職者の転職を支援しています。 執筆:samurai HR 編集部(株式会社SAMURAI不動産/有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-319169)。20代・30代の未経験からの転職を支援しています。

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