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やめとけ図鑑2026-11-02 公開 | 約10分で読めます

「離職率」が高い会社はやめとけ? 数字の種類と読み方、見送る線

監修 ・ 人材紹介事業 責任者 木下美紀 やめとけ図鑑 「離職率」が高い会社はやめ とけ? 数字の種類と読み方 、見送る線 samurai HR | 2026-11-02

「離職率3%」「定着率95%」。会社の採用ページで見かける数字です。反対に、離職率が書かれていない求人も多く、口コミで「人がすぐ辞める会社」と書かれていて不安になることもあります。ただ、離職率は何年の間に、誰が辞めた割合なのかで、意味がまったく変わります。ここでは、離職率の種類と全国のデータを整理し、計算の例で数字の動き方を見たうえで、求人票と面接で確かめることと「この条件なら見送る」線を示します。

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「離職率」とは

離職率は、ある期間に会社を辞めた人が、働いている人のうちどのくらいいるかを示す割合です。国の調査では、1年間に辞めた人の数を、その年の1月1日に働いていた人の数で割って出しています。

ただ、会社が出す離職率には決まった計算のしかたがありません。期間も、対象の人も、会社ごとにちがいます。

離職率の数字で確かめる3つのこと 期間 1年か 入社から3年か 対象 全社員か 新卒だけか 辞め方 定年や転籍も 入れているか
この3つがそろって、はじめてほかの会社と比べられます。

よく見る離職率の種類

種類意味
1年間の離職率1年で辞めた人 ÷ 年のはじめの社員数
新卒の3年以内の離職率同じ年に入った新卒のうち、3年以内に辞めた人の割合
定着率辞めずに残った人の割合(100% − 離職率で書くことが多い)
平均勤続年数社員が入社してから今までの年数の平均。入れ替わりの目安になる
木下美紀人材紹介事業
責任者

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木下美紀

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法律・制度での位置づけ:新卒の募集では情報を出す決まり

会社に、離職率を求人票に書く義務は一般にはありません。ただ、新卒の募集(卒業して3年以内の人を含む)では、若い人の職場選びのために、職場の情報を出す決まりがあります。

決まり内容
職場の情報の提供(若者雇用促進法第13条・第14条)新卒の募集をする会社は、決められた項目の中から情報を出す。応募した人から求められたら、それに応じる
出す情報の例(募集・採用の状況)直近3年度の新卒の採用者数と離職者数、平均勤続年数など
出す情報の例(働き方の状況)前の年度の月平均の残業時間、有給休暇の平均取得日数など
求人の正しい表示(職業安定法第5条の4)求人の情報を、うそや誤解を招く書き方にせず、正確で新しい内容に保つ

新卒の採用者数と離職者数がわかると、3年でどのくらい辞めているかを自分で計算できます。

出典:青少年の雇用の促進等に関する法律(若者雇用促進法)第13条・第14条、厚生労働省「青少年雇用情報シートの書き方のポイント」、職業安定法第5条の4。

全国のデータ:1年で14.2%、新卒の大卒は3年で33.8%

国の調査では、2024年の1年間で、働く人のうち14.2%が会社を辞めました。入った人は14.8%で、入る人と辞める人がほぼ同じくらいいます。

新卒で入った人が3年以内に辞める割合は、学歴によってちがいます。2022年3月に卒業して就職した人では、大学卒で33.8%、高校卒で37.9%でした。

新卒で入って3年以内に辞めた人の割合 中学卒 54.1% 高校卒 37.9% 短大などの卒業 44.5% 大学卒 33.8%
2022年3月に卒業して就職した人。3人に1人ほどが3年以内に辞めています。

出典:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」、厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」(2025年10月公表)。

規模と業種で見る:小さい会社ほど高く出やすい

3年以内の離職率は、会社(事業所)の規模や業種によって大きくちがいます。大学卒で見ると、5人未満の事業所では57.5%、1,000人以上では27.0%でした。

事業所の規模(大学卒)3年以内の離職率
5人未満57.5%
5〜29人52.0%
30〜99人41.9%
100〜499人33.9%
500〜999人31.5%
1,000人以上27.0%
離職率の高い業種(大学卒)3年以内の離職率
宿泊業・飲食サービス業55.4%
生活関連サービス業・娯楽業54.7%
教育・学習支援業44.2%
医療・福祉40.8%
小売業40.4%

業種の平均が高いところでは、ある会社の離職率が高めでも、その業種の中では低いほうということがあります。比べるときは、同じ業種・同じくらいの規模の会社どうしで見ましょう。

出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」。

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計算で見る:数字が大きく動くとき

離職率は、社員の数が少ないほど、1人辞めただけで大きく動きます。次の表は計算の例です。

会社の形計算離職率
社員200人、1年で20人が辞めた20 ÷ 20010%
社員20人、1年で3人が辞めた3 ÷ 2015%
新卒を3年で30人採り、12人が辞めた12 ÷ 3040%
新卒を3年で2人採り、1人が辞めた1 ÷ 250%

計算で見えること

  • 小さな会社の離職率は、1人の退職で大きく上下する
  • 全社員の1年の離職率が低くても、新卒が3年で多く辞めていることがある
  • 割合だけでなく、何人採って、何人残っているかを聞くとわかりやすい

表は計算の例です。

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なぜ「やめとけ」と言われるのか

人がよく辞める会社には、入る前には見えにくい理由があることが多くあります。ただ、離職率が高い理由がすべて悪いものとは限りません。

離職率が高く出る理由読み方
残業が多い、休みが取れない働き方の問題。残業と有給の実績を聞く
教える人がいない未経験で入ると、つまずきやすい
給料が上がらない経験を積んだ人がほかへ移る
独立や転職が前提の仕事美容師や営業など、経験を積んで次へ進む人が多い業界もある
人をたくさん採って、合う人だけ残す入る人も辞める人も多い。入社1年目が大変になりやすい

反対に、離職率が低すぎる数字にも注意が必要です。対象を一部の社員にしぼったり、会社都合の退職を入れていなかったりすると、数字は低く出ます。人の出入りについては、「大量募集」の記事もあわせてどうぞ。

求人票の実例を読む

離職率の書き方を、3つの型に分けて読みます(実在の会社の求人ではなく、よくある書き方の例です)。

求人票・採用ページの書き方読み方面接で聞くこと
離職率3%!定着率バツグン期間も対象もわからない何年の、誰の数字か
新卒採用者数 2023年度8名・2024年度10名・2025年度12名、うち離職者 1名・2名・1名3年で30人採って4人が辞めた。約13%で、全国の大卒より低い中途で入った人の定着
平均勤続年数 2.5年、平均年齢 27歳会社が新しいか、入れ替わりが多いかのどちらか会社ができて何年か、社員数の変化

2つ目のように、採用者数と離職者数が年度ごとに並んでいる書き方は、自分で計算できるので信頼しやすい形です。

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求人票と面接で確かめること

何年の、誰の数字か

1年の離職率か、新卒の3年以内か。全社員か、正社員だけかを確かめます。

採った人数と、残っている人数

「この3年で、同じ職種で何人入って、いま何人残っていますか」と聞くと、割合より具体的にわかります。

辞めた人の理由

「辞めた方は、どんな理由が多かったですか」と聞きます。答えの中身と、答えるときの様子の両方が手がかりになります。

平均勤続年数と社員の年齢

会社ができた年と合わせて見ると、入れ替わりの多さが見えてきます。

この条件なら、見送る 離職率を聞いても、期間も対象も答えてもらえない 同じ職種で、この3年に入った人がほとんど残っていない 辞めた理由を聞くと、本人のせいだけにする 新卒の採用者数・離職者数を求めても、出してもらえない
1つでも当てはまれば、人数で答えてもらえる求人と比べてから決めましょう。

聞きにくい人の出入りは、担当のエージェントが会社に確かめます

  • 配属される部署の、この数年の入社と退職の人数
  • 辞めた人の主な理由
  • 入社1年目の教え方と、相談できる先輩の有無

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入社したあとにやること

入社してすぐに辞める人が多い職場では、最初の3か月の過ごし方が分かれ目になります。

入社して最初の1年でやること 1か月目 教えてくれる人を 1人決めてもらう 3か月目 できること・ できないことを話す 半年 目標と評価の しかたを聞く 1年後 残業・休み・ 給料を見直す
困ったことは、ためこまずに早めに相談するほど、解決しやすくなります。

辞める前に、記録を残しておく

働き方が合わないと感じたら、残業時間、休めた日、言われたことをメモしておきます。社内で相談するときにも、次の転職を考えるときにも役に立ちます。

記録することどこで見るか
出社・退社の時刻勤怠の画面、自分のメモ
休めた日と有給の残り勤怠の画面
約束と実際のちがい労働条件通知書、給与明細

困ったときの相談先

人が次々に辞めて仕事が回らない、辞めたいと伝えても辞めさせてもらえない、といったときは、公的な窓口に無料で相談できます。

窓口相談できること
総合労働相談コーナー(各都道府県の労働局・労働基準監督署の中)退職、いじめ・嫌がらせ、働く条件のトラブル全般
労働基準監督署残業代が払われない、休みが与えられないなど
ハローワーク求人の内容と実際が大きくちがうとき
新卒応援ハローワーク学生や卒業して数年の人の就職・転職の相談

相談には、労働条件通知書、給与明細、働いた時間の記録を持っていくと話が早く進みます。法律の判断が必要なことは、この記事では答えられません。

無料・メールで届きます入社前チェックシート(18項目)求人票8項目・面接6項目・内定後4項目。応募の前に、1枚で確認できます。 メールで受け取る

まとめ:離職率は「種類」と「人数」で確かめる

離職率の数字で見ること

  • 1年の離職率か、新卒の3年以内か(全国は14.2%、大卒の3年以内は33.8%)
  • 全社員の数字か、一部の人の数字か
  • 同じ業種・同じくらいの規模の会社と比べたか
  • 何人採って、何人残っているか
  • 辞めた人の理由

離職率は、期間と対象がはっきりしていて、人数でも答えてもらえる会社なら、働きやすさの手がかりになります。数字の高い低いだけで決めず、なぜその数字なのかを応募の前に確かめましょう。求人が長く出ている会社の読み方は「ずっと求人が出ている」の記事でも取り上げています。

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よくある質問

離職率はどうやって計算しますか?

国の調査では、1年間に辞めた人の数を、年のはじめに働いていた人の数で割って出します。会社の数字は計算のしかたがばらばらなので、期間と対象を確かめましょう。

全国の離職率はどのくらいですか?

2024年の1年間で14.2%でした(令和6年雇用動向調査)。新卒で入った人が3年以内に辞める割合は、大学卒で33.8%、高校卒で37.9%です。

離職率が何%なら「高い」ですか?

決まった線はありません。業種や会社の規模で平均が大きくちがうため、同じ業種・同じくらいの規模の会社と比べて見ましょう。

離職率は求人票に書かないといけませんか?

一般の求人では義務はありません。新卒の募集(卒業して3年以内の人を含む)では、新卒の採用者数と離職者数などの情報を出す決まりがあり、応募した人は求めることができます。

「定着率95%」は信じていいですか?

期間と対象によります。何年の、誰の数字かを聞き、何人採って何人残っているかで確かめましょう。

面接で離職率を聞いても大丈夫ですか?

聞き方しだいです。「長く働きたいので」と前置きして、同じ職種で何人入って何人残っているかを聞くと、具体的に答えてもらいやすくなります。

離職率が高い業界は避けたほうがいいですか?

一律に避ける必要はありません。経験を積んで次へ進む人が多い業界もあります。その会社が業界の中でどうか、辞める理由は何かで判断しましょう。

平均勤続年数が短い会社は危ないですか?

会社ができて間もない場合も短く出ます。会社ができた年と、社員数の変化とあわせて見ましょう。

自分が入ってすぐ辞めたら、次の転職で不利ですか?

理由を短く前向きに説明できれば、選考が進むことは多くあります。辞める前に、働いた時間などの記録を残しておくと、次の会社選びにも役立ちます。

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木下美紀
監修:木下美紀(samurai HR 人材紹介事業 責任者) 年間100名の求職者の転職を支援しています。 執筆:samurai HR 編集部(株式会社SAMURAI不動産/有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-319169)。20代・30代の未経験からの転職を支援しています。

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