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やめとけ図鑑2026-11-02 公開 | 約10分で読めます

「労働条件通知書」をくれない会社はやめとけ? 読み方と見送る線

監修 ・ 人材紹介事業 責任者 木下美紀 やめとけ図鑑 「労働条件通知書」をくれな い会社はやめとけ? 読み方 と見送る線 samurai HR | 2026-11-02

内定の連絡のあと、「労働条件通知書」という書面が届きます。給料や休みの数字が並んでいて、なんとなく目を通して終わりにしてしまう人も少なくありません。反対に、「入社してから渡します」と言われて、書面をもらえないまま入社日を迎えることもあります。労働条件通知書は、入社のときの約束を書面で残す、法律で決まった書類です。ここでは、法律の決まりと全国の相談のデータを整理し、項目ごとの読み方と、内定のあとに確かめることと「この条件なら見送る」線を示します。

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「労働条件通知書」とは

労働条件通知書は、会社が働く人に給料・働く時間・休み・仕事の内容などの条件を書面で示すための書類です。法律で、雇うときに示すことが決まっています。

似た書類に「雇用契約書」があります。こちらは会社と働く人の両方が署名する契約の書面で、法律で作ることが決まっているわけではありません。1枚で両方をかねた「労働条件通知書 兼 雇用契約書」もよく使われます。

入社前にそろえたい3つの書面 求人票 募集のときの 条件 労働条件通知書 雇うときの 約束(法律で必要) 就業規則 会社全体の 決まり
3つを並べて、書いてあることが同じかを確かめます。

書類のちがい

書類どんなものか
労働条件通知書会社から働く人へ、条件を書面で示す。法律で必要
雇用契約書会社と働く人が合意したことを書き、両方が署名する
内定通知書採用を決めたことを知らせる。条件がくわしく書かれていないことも多い
就業規則会社全体の働き方の決まり。10人以上の職場では作る決まりがある
木下美紀人材紹介事業
責任者

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木下美紀

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法律の決まり:書面で示す項目が決まっている

会社は、雇うときに働く条件を示さなければならず、そのうち大事な項目は書面で渡すことになっています。働く人が望めば、メールなど印刷できる形でもかまいません。

書面で示す項目(主なもの)中身
契約の期間期間の定めがあるか。ある場合は更新の基準と、更新の上限
働く場所と仕事の内容入社のときの内容と、将来変わりうる範囲(2024年4月から)
働く時間と休み始業・終業の時刻、決まった時間をこえる労働の有無、休憩、休日、休暇
給料決め方、計算と支払いの方法、締め日と支払日
辞めるとき退職と解雇の決まり
ほかの決まり内容
ちがっていたとき(労働基準法第15条第2項)示された条件が事実とちがえば、働く人はすぐに契約を解除できる
帰る旅費(第15条第3項)働くために住まいを移した人が、解除から14日以内に帰るときは、会社が旅費を出す
示さなかったとき30万円以下の罰金の対象になる
募集のときとちがう条件にするとき(職業安定法第5条の3)会社は、募集のときに示した条件を変えるなら、変える中身を示す

出典:労働基準法第15条・第120条、労働基準法施行規則第5条、職業安定法第5条の3、厚生労働省「平成31年4月から、労働条件の明示がFAX・メール・SNS等でもできるようになります」・「2024年4月からの労働条件明示のルール変更」。

全国のデータ:働く条件の相談は年に約120万件

労働局や労働基準監督署の窓口には、働く条件についての相談が1年で119万8,010件寄せられています。100万件をこえるのは18年続いています。

総合労働相談の件数(万件) 令和6年度 120.2万件 令和7年度 119.8万件
労働局・労働基準監督署の総合労働相談コーナーへの相談の件数。
令和7年度の主な数字件数
相談の内容で最も多い「いじめ・嫌がらせ」55,614件(14年続けて最多)
労働局長の助言・指導を求めた内容で最も多い「労働条件の引き下げ」1,220件
あっせん(話し合いの手助け)を求めた内容で最も多い「解雇」892件

入社したあとに条件が下げられた、と相談する人は少なくありません。入社のときの条件を書面で持っていることが、こうしたときの出発点になります。

出典:厚生労働省「令和7年度個別労働紛争解決制度の施行状況」(2026年7月公表)、「令和6年度個別労働紛争解決制度の施行状況」。

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読み方:項目ごとに見るところ

労働条件通知書は、求人票と1行ずつ見比べるのが基本です。とくに次の項目は、数字や言葉が少しちがうだけで中身が大きく変わります。

項目見るところ
契約の期間「期間の定めなし」か。試用期間の長さと、その間の条件
働く場所(変更の範囲)「会社の定める場所」なら転勤がありうる
仕事の内容(変更の範囲)「会社の定める業務」なら別の仕事に移ることがありうる
働く時間始業・終業の時刻、残業の有無、変形労働時間制などの制度
休日年間休日の日数、週休2日制か完全週休2日制か
給料基本給の額、手当の内訳、固定残業代の時間と金額
辞めるとき何日前に伝えるか、解雇の理由

読むときのコツ

  • 求人票と同じ項目に、蛍光ペンで線を引いて比べる
  • 「別途定める」「就業規則による」と書かれた項目は、就業規則を見せてもらう
  • わからない言葉は、入社の前に聞いておく

勤務地の「変更の範囲」の読み方は、「転勤あり」の記事でくわしく取り上げています。

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なぜ「やめとけ」と言われるのか

労働条件通知書を出さない、出し渋る、中身があいまいな会社は、入社のあとに条件のずれが起きやすい会社です。

入ってから聞く声起きていること
書面をもらえないまま入社した約束の中身を証明するものがない
求人票より基本給が低かった固定残業代や手当で、総額を合わせていた
試用期間の給料が下がると、入社してから知った試用期間の条件が書かれていなかった
正社員のつもりが、1年ごとの契約だった契約の期間を読んでいなかった
入社してすぐ、遠くの店に移された働く場所の変更の範囲が広かった

試用期間の条件は、「試用期間」の記事も参考にしてください。

労働条件通知書の実例を読む

よくある書き方を、3つの型に分けて読みます(実在の会社の書面ではなく、よくある書き方の例です)。

書き方読み方確かめること
賃金:月給25万円(詳細は就業規則による)基本給と手当の内訳がわからない基本給の額、固定残業代の有無
契約期間:期間の定めあり(2027年4月1日〜2028年3月31日)、更新:会社が必要と認めた場合1年ごとの契約。更新の基準があいまい更新の基準と上限、正社員になる道
就業場所:東京本社(変更の範囲:会社の定める場所)、業務:営業(変更の範囲:会社の定める業務)勤務地も仕事も、将来広く変わりうるこの数年の転勤と異動の実績

1つ目のように、給料の内訳が書かれていない書き方は、求人票の金額とくらべにくい形です。基本給の読み方は「基本給が低い」の記事もどうぞ。

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内定のあとに確かめること

いつ、どの形でもらえるか

内定を受けると決める前に、書面をもらえるかを確かめます。入社日にしか渡さない会社もありますが、返事をする前に見せてもらうのが安心です。

求人票とちがうところ

ちがう項目があれば、なぜ変わったのかを聞きます。会社は、変える中身を示すことになっています。

「就業規則による」の中身

就業規則を見せてもらい、関係するところを読みます。

わからない言葉

変形労働時間制、みなし労働時間制など、わからない言葉は聞いておきます。

この条件なら、見送る 書面を求めても「入社してから」と、内定の返事の前に見せてもらえない 求人票とちがう条件なのに、説明がない 給料の内訳や残業の扱いが、ほとんど書かれていない 署名をその場で急がされ、持ち帰って読ませてもらえない
1つでも当てはまれば、書面で条件をはっきり示す会社と比べてから決めましょう。

聞きにくい条件の確認は、担当のエージェントが会社に確かめます

  • 労働条件通知書をもらえる時期
  • 求人票と条件がちがう理由
  • 試用期間中の給料や働き方

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入社したあとにやること

労働条件通知書は、入社したあとも大切に保存しておく書類です。条件のずれに気づいたときの、いちばんの手がかりになります。

入社してからの書面の扱い 入社日 通知書と 就業規則を保存 最初の給料日 明細と通知書を 見比べる 毎月 働いた時間を 記録する 条件が変わるとき 新しい書面を もらう
紙は写真やPDFにして、会社のパソコン以外にも保存しておきましょう。

条件が変わると言われたら

給料や働く時間などの条件を、会社が一方的に下げることは、原則としてできません。条件を変える話が出たら、何がどう変わるのかを書面でもらってから返事をしましょう。

確かめることどこで見るか
給料の額と内訳労働条件通知書、給与明細
働く時間と休み労働条件通知書、就業規則、会社カレンダー
契約の更新労働条件通知書、更新のときの書面

困ったときの相談先

書面をもらえない、書面と実際の条件がちがう、条件を一方的に下げられた、といったときは、公的な窓口に無料で相談できます。

窓口相談できること
総合労働相談コーナー(各都道府県の労働局・労働基準監督署の中)働く条件のトラブル全般。会社との話し合いの手助け(あっせん)も
労働基準監督署労働条件を書面で示さない、給料が払われないなど
ハローワークハローワークの求人の内容と、実際の条件がちがうとき
労働条件相談ほっとライン(厚生労働省の委託事業)夜や土日も電話で相談できる

相談には、求人票の写し、労働条件通知書、給与明細を持っていくと話が早く進みます。法律の判断が必要なことは、この記事では答えられません。

無料・メールで届きます入社前チェックシート(18項目)求人票8項目・面接6項目・内定後4項目。応募の前に、1枚で確認できます。 メールで受け取る

まとめ:労働条件通知書は「返事の前」に読む

労働条件通知書で見ること

  • 内定の返事の前に、書面で受け取れるか
  • 求人票と同じ条件か、ちがう項目に説明があるか
  • 基本給と手当、固定残業代の内訳
  • 契約の期間と試用期間の条件
  • 働く場所と仕事の「変更の範囲」

労働条件通知書をすぐに出してくれて、質問にもていねいに答えてくれる会社は、約束を大切にする会社であることが多いものです。書面は、入社のあとも自分を守る材料になります。内定のあとの流れは「内定取り消し」の記事でも取り上げています。

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よくある質問

労働条件通知書は、必ずもらえるものですか?

会社は、雇うときに働く条件を示すことが法律で決まっていて、大事な項目は書面で渡すことになっています。もらえない場合は、会社に求めましょう。

雇用契約書と労働条件通知書は何がちがいますか?

労働条件通知書は、会社が条件を示すための書類で、法律で必要です。雇用契約書は、会社と働く人の両方が署名して合意を残す書類です。1枚で両方をかねる形もあります。

いつもらえますか?

雇うとき(契約を結ぶとき)に示すことになっています。内定の返事をする前に見せてもらえるか、確かめておくと安心です。

メールでもらってもいいですか?

働く人が望めば、メールなど印刷できる形で受け取ることができます。受け取ったら、印刷するかPDFで保存しておきましょう。

求人票と条件がちがいました。

会社は、募集のときに示した条件を変えるなら、変える中身を示すことになっています。なぜ変わったのかを聞き、納得できなければ返事を見送ることも考えましょう。

入社してから、書面とちがう条件だとわかりました。

示された条件が事実とちがう場合、働く人はすぐに契約を解除できると法律で決まっています。まずは会社に確かめ、解決しないときは労働基準監督署などに相談しましょう。

「変更の範囲」とは何ですか?

2024年4月から、働く場所と仕事の内容について、将来変わりうる範囲を示すことになりました。「会社の定める場所」なら、転勤がありうると読めます。

署名を急がされたら、どうすればいいですか?

持ち帰って読む時間をもらいましょう。わからない項目は、署名の前に聞いておくことが大切です。

労働条件通知書は、いつまで取っておけばいいですか?

辞めたあとも、しばらくは保存しておくのがおすすめです。給料や退職についてのトラブルが起きたときの材料になります。

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木下美紀
監修:木下美紀(samurai HR 人材紹介事業 責任者) 年間100名の求職者の転職を支援しています。 執筆:samurai HR 編集部(株式会社SAMURAI不動産/有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-319169)。20代・30代の未経験からの転職を支援しています。

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