「ずっと求人が出ている」会社はやめとけ? 理由の見分け方と見送る線
半年前に見た求人が、今日もまだ載っている。求人サイトを見ていると、いつも同じ会社の名前が目に入ることがあります。「ずっと募集しているのは、人がすぐ辞めるからでは」と心配になるのは自然なことです。ただ、求人が長く出ている理由には、人が辞めているほかに、会社が人を増やしている、合う人がなかなか見つからない、求人が古いまま残っている、などいくつかあります。ここでは、求人の情報についての法律の決まりと全国のデータを整理し、理由の見分け方と、求人票と面接で確かめることと「この条件なら見送る」線を示します。
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「ずっと求人が出ている」とは
ここでいう「ずっと求人が出ている」は、同じ会社の同じ職種の求人が、何か月も続けて載っている状態のことです。一度消えてもすぐにまた出てくる場合も含みます。
求人が長く出ている理由は、おおきく分けると次の3つです。
同じ「ずっと出ている」でも、中身がちがう
| 見え方 | 考えられること |
|---|---|
| 1年中、同じ職種で「若干名」 | 辞めた人の分を、そのつど埋めている |
| 勤務地が増えながら、出つづけている | 店舗や拠点を増やしている |
| 経験者だけを募集していて、長く出ている | 条件に合う人が少なく、決まらない |
| 更新日がずっと前のまま | 募集を終えたのに、消し忘れている可能性も |
責任者
法律の決まり:求人の情報は「正確で新しく」
2022年10月から、会社は求人の情報を正確で新しい内容に保つことが法律で求められるようになりました。募集を終えたのに求人を出したままにすることは、この決まりに沿いません。
| 決まり | 内容 |
|---|---|
| 求人の情報の正しい表示(職業安定法第5条の4) | うそや、実際より良く見せて誤解を招く書き方をしてはいけない。情報は正確で新しい内容に保つ |
| 募集を終えたとき | すぐに情報の提供をやめる。求人サイトに載せている場合は、サイトにも反映を頼む |
| いつの情報かを示す | 求人の更新日や「○日前」のように、情報の時点を示す方法がある |
| 働く条件の明示(第5条の3) | 仕事の内容、給料、働く時間などを、応募する人に示す |
つまり、求人が出ている以上、いまも募集しているのが前提です。ずっと出ている求人は、いまも人を探している、と読んでよいことになります。
出典:職業安定法第5条の3・第5条の4、厚生労働省「令和4年改正職業安定法Q&A」・「求人等に関する情報の的確な表示が義務付けられます」。
全国のデータ:1人に1件以上の求人がある
仕事を探している人1人に対して、求人が何件あるかを示すのが有効求人倍率です。2026年8月は1.18倍で、探している人より求人のほうが多い状態です。新しく出た求人だけで見ると2.06倍でした。
求人が人より多いときは、どの会社も人を集めにくく、求人が長く出やすくなります。ずっと出ていること自体は、いまの時期にはめずらしくありません。大切なのは、なぜ決まらないのかです。
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年8月分)について」(2026年10月2日公表)。
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計算で見る:1年で何人入れている計算か
求人が出ている期間と、採っている人数を社員の数と比べると、入れ替わりの大きさの目安になります。次の表は計算の例です。
| 会社の形 | 1年で採る人数 | 社員数に対する割合 |
|---|---|---|
| 社員40人、3か月ごとに2人を採りつづけている | 2人 × 4回 = 8人 | 20% |
| 社員40人、1年中「1名」で、年に2人採った | 2人 | 5% |
| 社員200人、店舗を4つ増やし、1店あたり5人採った | 20人 | 10%(人を増やす分) |
計算で見えること
- 社員が増えていないのに毎年たくさん採っているなら、そのぶん辞めている
- 全国では1年で14.2%の人が会社を辞めている。これより大きく多いかが目安になる
- 社員数がこの数年で増えているかを聞くと、理由が見えやすい
表は計算の例です。全国の割合は厚生労働省「令和6年雇用動向調査」。
辞める人の割合の読み方は、「離職率」の記事でくわしく取り上げています。
なぜ「やめとけ」と言われるのか
ずっと求人が出ている会社のうち、気をつけたいのは辞めた人の穴を埋めつづけている会社です。入ってから、次のようなことに気づく人がいます。
| 入ってから聞く声 | 起きていること |
|---|---|
| 同期がすぐに辞めて、残ったのは自分だけ | 入れ替わりが前提の職場になっている |
| 教えてくれる先輩がいない | 経験のある人から先に辞めている |
| 人が足りず、残業が減らない | 辞めた人の仕事が残った人に回っている |
| 求人に書いてあった給料より低い | 条件を良く見せて人を集めている |
| 入社してすぐ、別の仕事に回された | 人の足りない部署に配られる |
反対に、店舗や拠点を増やしている会社や、経験者を探していて決まらない会社なら、求人が長く出ていても心配しすぎることはありません。人の出入りの読み方は「急募」の記事もどうぞ。
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求人を紹介してもらう求人票の実例を読む
長く出ている求人を、3つの型に分けて読みます(実在の会社の求人ではなく、よくある書き方の例です)。
| 求人の書き方・見え方 | 読み方 | 面接で聞くこと |
|---|---|---|
| 営業スタッフ 若干名。半年前から同じ内容で掲載、更新日は毎週 | 辞めた人の分を埋めている可能性がある | この職種の社員数の変化と、辞めた人の数 |
| 販売スタッフ 10名。2027年春に3店舗を新しく開く予定のため増員 | 増やす理由が書いてある | 新しい店で教える人がいるか |
| 事務 1名。更新日が1年以上前のまま | もう募集を終えている可能性もある | いまも募集しているか(応募の前に問い合わせる) |
2つ目のように、なぜ人を探しているのかが書いてある求人は、理由を確かめやすい形です。
未経験歓迎希望に合う求人を、ご紹介します希望の職種と連絡先を入れるだけ。営業・事務・IT・施工管理などから、担当者がお探しします。 求人を紹介してもらう求人票と面接で確かめること
なぜ募集しているのか
「今回は、増員でしょうか、欠員の補充でしょうか」と聞きます。増員なら、何のために増やすのかも確かめます。
社員の数はこの数年でどう変わったか
「この職種の社員の方は、3年前と比べて増えていますか」と聞くと、入れ替わりか増員かが見えてきます。
前に入った人はいま何をしているか
同じ職種で去年入った人が、いまも働いているかを聞きます。
求人の掲載日と更新日
求人サイトの掲載日・更新日を見て、いつから出ているかを確かめます。
聞きにくい募集の理由は、担当のエージェントが会社に確かめます
- 増員か、辞めた人の補充か
- この数年の、同じ職種での入社と退職の人数
- 入ってから教える人と、教え方
入社したあとにやること
人の入れ替わりが多い職場に入った場合は、早いうちに頼れる人と相談の道をつくることが大切です。
求人と実際がちがうときは記録する
求人で見た給料や休みと、実際がちがうと感じたら、求人の画面を保存し、給与明細や働いた時間と並べておきます。あとで相談するときの大切な材料になります。
| 残しておくもの | なぜ必要か |
|---|---|
| 応募した求人の画面(日付つき) | 求人が消えたり変わったりすることがあるため |
| 労働条件通知書 | 入社のときの約束がわかる |
| 給与明細・働いた時間の記録 | 約束とのちがいを示せる |
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求人を紹介してもらう困ったときの相談先
求人の内容と実際が大きくちがう、募集のときの説明とちがう仕事をさせられる、といったときは、公的な窓口に無料で相談できます。
| 窓口 | 相談できること |
|---|---|
| ハローワーク | ハローワークの求人の内容と実際がちがうとき |
| 都道府県労働局(職業安定部) | 求人サイトの表示や、求人の出し方についての相談 |
| 総合労働相談コーナー(各都道府県の労働局・労働基準監督署の中) | 働く条件のトラブル全般 |
| 労働基準監督署 | 給料や残業代が払われないなど |
相談には、求人の画面の保存、労働条件通知書、給与明細を持っていくと話が早く進みます。法律の判断が必要なことは、この記事では答えられません。
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ずっと出ている求人で見ること
- 増員か、辞めた人の補充か
- 社員の数がこの数年で増えているか
- 去年入った人がいまも働いているか
- 求人の掲載日と更新日
- 求人の条件と、面接での説明が同じか
求人が長く出ていても、募集の理由がはっきりしていて、人が増えている会社なら、むしろ入りやすい会社であることもあります。「ずっと出ている」というだけで決めず、なぜ出ているのかを応募の前に確かめましょう。人を多く集める求人の読み方は「大量募集」の記事でも取り上げています。
相談無料・LINEでやり取り求人票の見方に迷ったら、聞いてみませんか気になる求人の条件を、こちらで調べたうえでご案内します。 LINEで無料相談するよくある質問
ずっと求人が出ている会社は、ブラック企業ですか?
そうとは限りません。人を増やしている、合う人が見つからない、などの理由もあります。増員か補充か、社員の数が増えているかで確かめましょう。
求人がどのくらい出ていたら「長い」ですか?
決まった線はありません。いまは仕事を探す人1人に1件以上の求人がある時期なので、数か月出ていることはめずらしくありません。理由と人数で判断しましょう。
募集を終えたのに求人が残っていることはありますか?
あります。会社は求人の情報を正確で新しい内容に保つことが求められていますが、更新日がずっと前のままの求人は、応募の前にいまも募集しているかを問い合わせましょう。
面接で「なぜ募集しているのか」を聞いても大丈夫ですか?
大丈夫です。「入ってからの役割を知りたいので」と前置きして、増員か補充かを聞くと自然です。
求人が何度も出たり消えたりするのはなぜですか?
採用が決まって一度止め、また人が辞めて出し直している場合があります。この数年で同じ職種に何人入り、何人残っているかを聞きましょう。
有効求人倍率とは何ですか?
仕事を探している人1人に対して、求人が何件あるかを示す数字です。2026年8月は1.18倍でした(ハローワークの数字)。
求人に書いてあった条件と、面接での説明がちがいました。
労働条件通知書で、入社のときの条件を必ず確かめましょう。求人と大きくちがうのに説明がない場合は、応募を見直す材料になります。
ずっと出ている求人に、未経験で応募してもいいですか?
応募してかまいません。入ってから教える人がいるか、去年入った人がいまも働いているかを確かめてから決めると安心です。
求人の画面は保存しておいたほうがいいですか?
保存をおすすめします。求人は消えたり変わったりするので、日付がわかる形で残しておくと、入社後に条件のちがいを相談するときに役立ちます。
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